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「思ったよりフツーじゃないか」
先日、体験ギフトを制作・販売するソウ・エクスペリエンスのオフィスを訪問したときの感想である。今回、同社に取材を申し込んだのは、「子連れ出社OK」の制度を導入していると聞いたからだった。IT企業らしく先進的でオシャレなオフィスで、若いスタッフたちがごく普通に働いている。そして、ごく当たり前のように、何人かの社員はパソコン作業をしながら赤ちゃんを抱っこしたり、コピーをとりながら子どもをあやしたりしていた。
周囲の社員はそれぞれの業務に勤しみながらも、席を立つタイミングなどで子どもに笑いかけ、時にはおしゃべりに付き合っている。その光景は「子連れ出社」という大仰な言葉から想像するイメージには程遠く、子どもがあまりに自然に職場に溶け込んでいた。
この制度を導入したのは2年半ほど前から。約30人のスタッフのうち、パートタイム勤務の女性社員3人が毎日、自分の子どもをオフィスに連れてくる。家庭や保育園の事情次第で子どもを連れてくる社員を含めると、約9人の社員が子連れ出社をしているという。
子連れ出社について、社長の西村琢さんは「子どもを産んでも働きたい女性はいるのに、その受け皿がないのは社会にとって大きな損失」と語る。体験販売サービスを展開する傍ら、『子連れ出社導入100社プロジェクト』を掲げ、オフィスの見学会を開催することで他社の子連れ出社導入の支援をしている。
「見学会には毎回10社ほどが参加し、これまで150件以上の問い合わせがありました。なかには上場企業からいらっしゃる方もいます」と西村さん。社会的価値があるのはもちろんだが、子連れ出社にはどのようなメリットがあるのだろうか。
「実は、採用にもいい影響があります。政府が社会課題として正式に挙げるくらい、保育園の待機児童の数は増加していますが、それは同数の『待機ママ』がいるということです。このような待機ママは本来、能力も労働意欲も高い。彼女たちに働く選択肢を示すことで、人材不足の企業とよいマッチングが実現できます」
見学会の様子
だが、現実問題として、子どもはコントロールがつく存在ではない。子連れ出社に二の足を踏む企業が多いのもそれが原因だろう。組織をマネジメントする上で、不確定要素になりえる子どもと同じ空間を共有することに、困難はないのだろうか。
「もちろんあります。ビジネス上、シリアスな電話をしているときに、子どもの声が聞こえてしまうわけにはいきません。また、サービスの開発会社なので、社内にはエンジニアがいますが、彼らは基本的には静かな環境を望んでいます。他の社員が子どもを可愛がりすぎてお菓子を与えてしまい、お母さんが困ることもあります」
このような個々のトラブルを一元的に解決する方法はなく、「オフィスの中で子どものいるエリアを分ける」「お母さんが望まないことにははっきり『NO』と言う」など、ケースバイケースで対応する必要があるのだ。しかし、さまざまな工夫と努力を積み重ねることで、どんな課題であれ解決できると西村さんはいう。
「一番大事にするべきなのは、既存の社員の意思です。子どもが嫌いな社員や、たとえば不妊治療の成果が思うように出ず、子どものいる空間にいたくない社員もいるかもしれない。すべての企業が導入するべき制度ではなく、会社の方針と社員の意思が一致したときに、子連れ出社という選択肢があることを伝えたいんです」
もともとは現在よりも社員数が少なかった時代に、主要メンバーだった女性の妊娠が発覚したことで導入したという。「子連れ出社制度そのものにお金はかかりませんが、簡単に導入できるものだとも思いません」と、西村さんはあくまでも冷静だ。
「私自身も子どもができたときに、自分が子どもという存在をよく知らないことに気付かされました。現代社会は職業や年齢など、それぞれの階層ごとに隔離されていて、ほとんど接点がない。日頃から接しない相手のことはよくわからないですよね。待機児童もベビーカー問題も、社会がこのように分断されたことで引き起こされているのではないでしょうか」
オフィスという空間の中で、ビジネスパーソンと子どもというまったく異なる階層が関わりあう子連れ出社。さまざまな条件が整った幸運な事例ではあるが、その文化が育まれている空間からは、「階層間のコミュニケーションによって、社会の課題は解決される」というたしかな手応えを感じることができた。
もしあなたの職場が子連れ出勤を検討し始めたら……あなたはどう考えるだろうか?
(朽木誠一郎/ノオト)
<取材協力>
▼ソウ・エクスペリエンス株式会社
http://www.sowxp.co.jp/
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